
こんにちは。リビング家具ガイド 運営者の「YUKO」です。長年愛用しているお気に入りのローテーブル。「デザインは気に入っているけれど、ライフスタイルの変化で高さが合わなくなってきた…」と感じることはありませんか?
例えば、床座りからソファ生活に切り替えた時や、在宅ワークでローテーブルをパソコンデスクとして使いたい時など、もう少し高さがあればもっと快適なのにと悩む方は非常に多いです。
実際に私も、以前は床に座ってちょうど良い高さのテーブルを使っていましたが、ソファを購入してからというもの、コーヒーを手に取るたびに前かがみになるのがプチストレスでした。そこで「ローテーブル高くしたい」とあらゆる方法を模索し、手軽な100均グッズから本格的なDIYまで、様々な手段を試してきました。
この記事では、そんな私の実体験とリサーチに基づき、ローテーブルをハイテーブルにするための具体的な方法や、失敗しないための選び方、そして安全面での注意点までを網羅的に解説します。100均やニトリで買える便利な継ぎ脚グッズの活用法から、30cm以上の大幅な高さ変更を実現するDIY術まで、あなたの目的にぴったりの解決策が必ず見つかるはずです。
記事のポイント
- 100均やニトリなどで手に入る手軽な高さ調整グッズの種類と具体的な選び方
- DIY初心者でも挑戦できる、安全かつおしゃれに脚を継ぎ足して高くする方法
- 食事、パソコン作業、リラックスなど、用途別に見た最適なテーブルの高さの基準
- 30cm以上の大幅な高さ変更や、昇降式テーブルへの買い替えを検討すべきタイミング
目次
ローテーブル高くしたい時の市販グッズの種類と選び方

「今のテーブルを買い換えるのはもったいないし、まずは手軽に高さを変えてみたい」と考えたとき、真っ先に検討したいのが市販の「継ぎ脚」グッズです。ホームセンターやネットショップ、そして身近な100円ショップにも、様々な種類の高さ調整アイテムが並んでいます。
しかし、ただ「安いから」「なんとなく合いそうだから」という理由だけで選んでしまうと、テーブルがグラグラして使い物にならなかったり、最悪の場合は脚が外れて怪我をしてしまったりするリスクもあります。ここでは、市販グッズの種類ごとの特徴と、失敗しないための選び方のポイントを詳しく解説していきます。
100均ダイソーやセリア等のアイテムで安く調整する

「とりあえず今のローテーブルを高くしたいけれど、失敗してお金を無駄にするのは嫌だ」という方にまずおすすめしたいのが、ダイソーやセリア、キャンドゥなどの100円ショップで手に入る継ぎ脚アイテムです。一般的には「こたつ用継ぎ足」や「テーブル・イスの足」といった商品名で販売されており、インテリアコーナーやリフォーム用品コーナーで見つけることができます。
これらの100均アイテムの最大の特徴は、なんといっても圧倒的なコストパフォーマンスです。4個セットで110円(税込)から手に入るため、缶ジュース1本分の値段で家具の快適性を向上させることができます。形状は、テーブルの脚を上からスポッとはめ込む「カップ型」が主流で、特別な工具を使わずに誰でも数秒で設置できる手軽さが魅力です。
サイズ展開も意外と豊富で、細い脚用から太い角脚用まで揃っていることがあります。また、商品を2つ重ねて使用することで、さらに高さを稼げるタイプも販売されています。例えば、1つで3cmアップ、2つ重ねて7cmアップといった具合に調整できるものは、座椅子を使う時だけ高くしたいといったシーンで重宝します。
しかし、100均アイテムを使用する際には、いくつか理解しておくべきデメリットと注意点があります。まず、素材の多くは軽量なプラスチック製であるため、耐久性と安定性はそれなりであるという点です。無垢材の重厚なローテーブルや、ガラス天板のテーブルに使用すると、重量に耐えきれずにプラスチックが割れてしまう恐れがあります。
また、脚を固定する機能(ネジなどで締め付ける機構)が付いていないものがほとんどなので、テーブルを持ち上げると継ぎ足し部分は脱落してしまいます。掃除のたびに外れてしまうのは地味にストレスになるかもしれません。さらに、デザイン面でもプラスチック特有の光沢感や安っぽさが出てしまうため、インテリアにこだわりがある方には少し不向きかもしれません。
100均アイテム使用時のチェックポイント
- 対応サイズを確認する: パッケージに記載されている「対応する脚のサイズ(縦・横・直径)」を必ず確認し、自宅のテーブル脚を測ってから購入しましょう。
- 耐荷重を守る: 「耐荷重100kg」と書いてあっても、それは静止状態での数値です。人がテーブルに手をついたり、乗ったりする動き(動荷重)には弱いことを認識しておきましょう。
- 滑り止めを併用する: そのまま置くとフローリングで滑りやすいため、底面に100均の滑り止めシートを貼るのがおすすめです。
ニトリやホームセンターで買える継ぎ脚の特徴

「100均のグッズでは強度が不安」「もう少し見た目にもこだわりたい」という方は、ニトリやカインズ、コーナン、ロイヤルホームセンターなどの家具店やホームセンターで販売されている本格的な継ぎ脚を検討してみましょう。価格帯は1,000円〜3,000円程度になりますが、その分、機能性と安全性は格段に向上します。
ホームセンターなどで買える継ぎ脚の大きな特徴は、「固定力の高さ」と「素材の丈夫さ」です。多くの製品には、テーブルの脚を横から締め付けるためのネジや、高さを微調整できるアジャスター機能が搭載されています。これにより、テーブルを持ち上げても継ぎ脚が外れることがなく、掃除や模様替えの際もストレスフリーです。
素材に関しても、厚みのある強化プラスチックや、木製、スチール製などバリエーションが豊富です。特に木製の継ぎ脚は、木製テーブルとの相性が抜群で、後付け感が少なく自然な仕上がりになります。中には、無垢材の風合いを活かした高級感のある製品も販売されており、家具の品格を損なわずに高さを上げることが可能です。
また、ニトリなどで販売されている「こたつ用継ぎ脚」は、こたつのヒーターの熱にも耐えられるよう耐熱設計になっているものが多いのもポイントです。冬場にこたつとして使用する予定がある場合は、変形や火災のリスクを避けるためにも、必ず耐熱仕様の製品を選ぶようにしてください。
選び方のポイントとしては、やはり「脚のサイズ計測」が命です。特にネジ固定式の場合、対応する脚の太さに制限があることが多いです。「大は小を兼ねるだろう」と思って大きすぎるサイズを買ってしまうと、しっかりと固定できずにグラグラの原因になります。ノギスや定規を使って、脚の縦・横・対角線の長さを正確に測ってからお店に行きましょう。
さらに安定感を高めるなら
テーブルの脚が「ハの字」に広がっているタイプや、デザイン性の高い特殊な形状の脚には、一般的なカップ型の継ぎ脚は使用できない場合があります。その場合は、粘着テープで固定するタイプや、板状の台座に乗せるタイプを探してみると良いでしょう。
賃貸でも安心な床を傷つけない継ぎ足し方法

ローテーブルを高くする際に、見落としがちなのが「床へのダメージ」です。テーブルの脚を継ぎ足すと、継ぎ脚の底面の材質や形状によっては、フローリングに傷がついたり、クッションフロアが凹んだりするリスクが高まります。特に賃貸物件にお住まいの方にとっては、退去時の修繕費用に関わる深刻な問題ですよね。
継ぎ脚を使用することで床が傷つく主な原因は、「接地面積の変化による圧力の集中」と「素材の硬さ」です。例えば、細い脚に硬いプラスチック製の継ぎ脚を履かせると、体重をかけた瞬間にその一点に強い圧力がかかり、床材を凹ませてしまうことがあります。また、掃除の時などにテーブルを引きずると、硬い素材がヤスリのように床を傷つけてしまうことも。
こうしたトラブルを防ぐためには、継ぎ脚を選ぶ際に「底面の仕様」を徹底的にチェックすることが重要です。最初から底面にフェルトシールが貼られているものや、ゴム素材でカバーされているものを選ぶのがベストです。もし、気に入った継ぎ脚に保護材が付いていない場合は、自分で対策を行いましょう。
最も簡単で効果的なのは、ホームセンターや100均で売っている「家具用フェルト」を貼ることです。薄いフェルトではなく、厚みが3mm〜5mm程度あるしっかりとしたタイプを選ぶと、衝撃吸収性が高く、傷防止効果が長続きします。フェルトを貼ることでテーブルの滑りが良くなり、引きずった時の不快な音も防げます。
おすすめの床保護テクニック:マットの重ね使い
重たいテーブルの場合、フェルトだけでは凹みを防ぎきれないことがあります。そんな時は、継ぎ脚の下にさらに一枚、クッション材を挟むのがおすすめです。
例えば、100均で売っている「コルクコースター」や「ジョイントマット」を、継ぎ脚のサイズに合わせてカットして敷いてみてください。これにより荷重が分散され、床への負担が劇的に軽減されます。見た目は少し目立つかもしれませんが、安全と原状回復のためには非常に有効な手段です。
見た目を損なわずにおしゃれに高さを上げる工夫

「機能的に高くなったのはいいけれど、継ぎ足し部分が目立ってしまってカッコ悪い…」。これは、ローテーブルを高くした際によくある悩みです。特に、ナチュラルな木目のテーブルに真っ黒なプラスチックの継ぎ脚を合わせたりすると、そこだけ浮いて見えてしまい、お部屋の雰囲気を台無しにしてしまうことも。
インテリア好きの私としては、使い勝手と同じくらい「見た目」も大切にしたいところです。そこで、継ぎ脚の存在感を消し、おしゃれに馴染ませるためのいくつかの工夫をご紹介します。
一つ目のテクニックは、「マスキングテープやリメイクシートでのカモフラージュ」です。100均には様々な柄のリメイクシートが売られています。例えば、テーブルの脚がオーク材なら、それに近い色味の木目調シートを購入し、プラスチックの継ぎ脚部分に綺麗に貼り付けるのです。これだけで、遠目に見れば「元からそういうデザインの脚」のように見せることができます。曲面に貼るのが難しい場合は、ドライヤーで温めながら伸ばして貼るとシワになりにくいですよ。
二つ目は、逆転の発想で「あえて目立たせてバイカラーにする」という方法です。無理に色を合わせようとして微妙に違う色になってしまうくらいなら、潔く「デザイン」として見せてしまいましょう。例えば、木製のテーブルにマットブラックの継ぎ脚を合わせて「脚先だけ黒い靴下を履いたような」デザインにするのです。これは「ソックスレッグ」とも呼ばれる人気のデザイン手法で、空間を引き締めるアクセントになります。
三つ目は、「専用の脚カバー(チェアソックス)を履かせる」ことです。布製のチェアソックスを継ぎ脚の上から被せてしまえば、継ぎ脚自体の見た目を完全に隠すことができます。最近では、シンプルな無地だけでなく、北欧風の柄物や、猫の足の形をした可愛いものなど、デザインも豊富です。カバーをすることで床の傷防止にもなり、一石二鳥のアイデアと言えます。
| 手法 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| リメイクシート | 木目などを合わせれば一体感が出る | 綺麗に貼るのにコツがいる |
| バイカラー(塗装など) | スタイリッシュでモダンな印象に | 色の組み合わせセンスが問われる |
| 脚カバー(ソックス) | 被せるだけで簡単、床保護も兼ねる | 埃がつきやすく、定期的な洗濯が必要 |
ローテーブルを高くしたい場合のDIYと高さの基準

市販の継ぎ脚グッズでは高さが足りなかったり、デザインが満足できなかったりする場合は、DIYで自分好みにカスタマイズするのがおすすめです。しかし、いざDIYをするとなると「何センチ高くすればいいの?」「どうやって固定すれば安全なの?」といった疑問が湧いてくるはずです。
ここからは、人間工学に基づいた使いやすい高さの基準と、初心者でも挑戦できる具体的なDIY手法について、プロの視点を交えながら深掘りしていきます。
ソファや椅子に合わせた使いやすい高さの基準とは

テーブルを高くする作業に入る前に、最も重要な「目標の高さ」を決めましょう。実は、テーブルの高さには「万人に共通する正解」はありません。使う人の身長や、合わせる椅子(ソファ)の高さ、そして「そこで何をしたいか」という目的によって、ベストな高さは全く異なるからです。
ここで知っておきたいのが、「差尺(さじゃく)」というキーワードです。差尺とは、椅子の座面からテーブルの天板までの垂直距離のこと。人間工学的に、作業の内容によって快適な差尺には明確な基準があります。
1. 食事や書き物をする場合:差尺27cm〜30cm
食事をしたり、ノートに字を書いたりする時は、少し前傾姿勢になるため、テーブルが高めの方が楽に感じます。一般的に、座面の高さに「27cm〜30cm」を足した高さが理想的です。例えば、座面高38cmのソファで食事をするなら、テーブルの高さは65cm〜68cm程度必要になります。これは一般的なダイニングテーブルに近い高さです。
2. パソコン作業(キーボード操作)をする場合:差尺25cm〜28cm
在宅ワークなどでノートパソコンを使う場合、テーブルが高すぎると肩が上がってしまい、肩こりの原因になります。逆に低すぎると猫背になり、首を痛めてしまいます。キーボードの上に手を置いたとき、肘の角度が90度前後になるのが理想です。食事用よりも2〜3cm低めに設定すると、長時間の作業でも疲れにくくなります。(出典:厚生労働省『自宅等でテレワークを行う際の作業環境整備』)
3. リラックスしてコーヒーを飲む場合:差尺0cm〜5cm
ソファに深く腰掛けてテレビを見たり、飲み物を置いたりするだけなら、テーブルが高すぎると圧迫感が生まれてしまいます。この場合は、ソファの座面と同じ高さか、それより5cm〜10cm高いくらいが、視界を遮らず、部屋を広く見せる効果があります。
自分に合った高さを見つける裏技
計算だけでは不安な場合は、家にある雑誌や本をテーブルの脚の下に積み重ねて、実際に座ってシミュレーションしてみましょう。「あ、この高さが楽だな」と感じる高さをメジャーで測り、そこから逆算して必要な継ぎ足し幅を決めると失敗がありません。
「ローテーブルをハイテーブルにする方法」を探している方は、おそらくソファに座って食事や作業をしたいと考えているのではないでしょうか。その場合、ソファの座面から約28cm〜30cm上に天板が来ると、ストレスなく過ごせるはずです。
リビングでのリラックスタイムや、ダイニングとしての食事シーンなど、シチュエーションごとに最適な高さのバランスについては、ソファとテーブルの高さバランスや黄金比について解説した記事でさらに詳しく紹介していますので、あわせて参考にしてみてください。
子供の成長や学習環境に合わせて高さを変えるメリット

小さなお子さんがいるご家庭では、リビングのローテーブルでお絵かきや宿題をする「リビング学習」を取り入れている方も多いと思います。しかし、子供の体格に合わない低いテーブルでの学習は、様々なデメリットを引き起こす可能性があります。
一番の問題は「姿勢の悪化」です。テーブルが低すぎると、子供は覗き込むように背中を丸めて作業することになります。この猫背姿勢が定着してしまうと、背骨の発達に悪影響を及ぼすだけでなく、目と対象物の距離が近くなりすぎて視力低下の原因にもなりかねません。また、肺が圧迫されることで呼吸が浅くなり、脳に十分な酸素が行き届かず、集中力が続かないという指摘もあります。
子供の成長スピードは驚くほど速いです。「去年まではちょうどよかったのに、今年は膝が天板に当たってしまう」なんてことは日常茶飯事です。だからこそ、継ぎ脚やDIYでこまめに高さを調整してあげることは、子供の健康的な成長と学習効率を守るために非常に理にかなっています。
また、赤ちゃんがいるご家庭では、別の視点でのメリットもあります。つかまり立ちを始めた赤ちゃんにとって、大人のコーヒーカップやリモコンが置いてあるローテーブルは興味の対象です。テーブルの高さをあえて5cm〜10cm高くすることで、赤ちゃんの視線から物を隠したり、手が届かないようにしたりするという「安全対策」としての高さ調整も有効です。
アジャスターを活用して微妙な高さ調整を行うDIY

「市販の継ぎ脚だと3cmや5cm刻みでしか調整できないけれど、自分はあと2.5cm高くしたい!」といったこだわり派の方や、「床が微妙に傾いていてテーブルがカタカタするのを直したい」という方には、アジャスターボルトを使ったDIYが最適です。
この方法は、テーブルの脚の底に「アジャスター」と呼ばれるネジ式の調整金具を取り付けるというものです。必要な材料は、ホームセンターで手に入る「アジャスターボルト」と、それを受けるための「鬼目ナット(またはインサートナット)」の2点だけ。費用も数百円〜千円程度で済みます。
DIYの手順
- 下穴を開ける: テーブルの脚の底の中心に、電動ドリルを使って鬼目ナットのサイズに合わせた下穴を開けます。ここが一番の難関ですが、真っ直ぐ開けることを意識しましょう。
- 鬼目ナットを埋め込む: 開けた穴に鬼目ナットをねじ込みます。六角レンチで締め込むタイプが作業しやすくておすすめです。
- アジャスターを取り付ける: 埋め込んだナットにアジャスターボルトをくるくると回し入れます。
このDIYの最大のメリットは、「無段階で高さを微調整できること」です。設置後に「やっぱりあと2ミリ高くしたい」と思っても、ボルトを回すだけで即座に対応できます。また、4本の脚それぞれの高さを個別に調整できるので、床の歪みによるガタつきを完全に解消し、ビシッと安定したテーブルに生まれ変わらせることができます。
DIYで木材を使ってテーブルの脚を自作・加工する

アジャスターのような数センチの調整ではなく、10cm、15cmと大幅に高さを変えたい場合や、プラスチック製の継ぎ脚ではデザイン的に許せないという場合は、木材を使って脚自体を加工する方法に挑戦してみましょう。ここでは、代表的な2つのアプローチを紹介します。
アプローチ1:既存の脚に木材を継ぎ足す(ゲタを履かせる)
既存の脚と同じくらいの太さの木材(角材や2×4材など)を購入し、脚の下に追加する方法です。単に接着剤で貼るだけでは強度が足りないので、金属製の「平板プレート」や「L字金具」を使って、元の脚と新しい木材をガッチリとビス止めします。
この方法は、見た目は少し武骨でインダストリアルな雰囲気になりますが、強度は十分に確保できます。金具をあえて見せるデザインにするか、後から木材でカバーを作って隠すか、DIYの腕の見せ所です。
アプローチ2:ハンガーボルトで脚そのものを交換する
個人的に最もおすすめなのが、この「脚の交換」です。多くのローテーブルの脚は、天板の裏にボルトでねじ込まれているだけの構造になっています。この脚を回して取り外し、代わりにホームセンターやネットで買った「長い脚」を取り付けるのです。
この時に活躍するのが「ハンガーボルト」という金具です。片側が木ネジ(木にねじ込む用)、反対側がボルト(ナットで締める用)になっている特殊なネジで、これを新しい木製脚に埋め込めば、純正の脚と同じように天板にクルクルとねじ込むことができるようになります。これなら、継ぎ目の一切ない美しい一本脚として仕上がるため、DIY感を出さずにプロ並みのクオリティで高さを変えることができます。
ローテーブルを30cm高くしてハイテーブルにする方法

「床座り生活をやめて、椅子とソファで食事をしたい」という場合、ローテーブル(高さ35cm前後)をダイニングテーブル並みの高さ(65cm〜70cm前後)にする必要があります。つまり、約30cm〜35cmもの高さアップが必要です。
ここで強く警告しておきたいのが、「30cmの高さを継ぎ足し(延長)で補うのは極めて危険である」という事実です。元の脚の先に30cmもの棒を継ぎ足すと、接合部分にかかる「テコの原理」による負荷は想像以上に大きくなります。ちょっと体がぶつかったり、掃除機が当たったりしただけで、接合部からバキッと折れてテーブルが転倒し、大怪我につながるリスクがあります。
30cm高くしてハイテーブル化したい場合は、継ぎ足しではなく、以下の「全交換」または「リメイク」を選択してください。
- IKEAの脚パーツ(ADILS/オディリスなど)を活用する: IKEAでは、高さ70cmのスチール製脚が1本数百円という破格で販売されています。これを4本購入し、天板の裏にビス止めして取り付けます。デザインもシンプルで、コストも2,000円〜3,000円程度で済みます。ただし、天板が中空構造(フラッシュ構造)の場合、ビスが効かないことがあるので、天板の材質確認は必須です。
- 鉄脚(アイアンレッグ)をオーダーする: ネット通販やハンドメイドサイト(Creemaやminneなど)では、指定した高さで作ってくれる鉄脚オーダーショップがたくさんあります。「高さ68cmで作ってください」と頼めば、完璧なサイズの鉄脚が届きます。天板さえしっかりしていれば、これをビス止めするだけで、まるでカフェにあるようなおしゃれなテーブルに生まれ変わります。
脚を高くした際の安定性確保と耐荷重の注意点

テーブルというのは、基本的に「低いほど安定し、高いほど不安定になる」という物理法則に従います。ローテーブルを高くするということは、重心の位置が高くなることを意味し、どうしても横揺れ(グラつき)が発生しやすくなります。
特にDIYで脚を細長いものに変えた場合や、継ぎ足しを行った場合は、「耐荷重」と「剛性」の低下に注意が必要です。元のローテーブルなら人が乗っても大丈夫だったとしても、高くした後のテーブルに腰掛けたり、踏み台代わりにしたりするのは絶対にNGです。
安全性を確保するためのチェックリスト
- 定期的なネジの増し締め: 使っているうちに振動でネジやボルトが緩んできます。1ヶ月に1回程度は緩みがないかチェックし、締め直しましょう。
- 耐震ジェルの活用: 脚の裏に「耐震ジェルマット」を貼ると、床との密着度が高まり、転倒防止だけでなく、横揺れの軽減にも絶大な効果があります。
- 構造的な補強: もしグラつきがひどい場合は、脚と脚の間を繋ぐ「貫(ぬき)」と呼ばれる横木を追加するか、天板と脚の接合部にL字アングルを追加して補強してください。
ローテーブルくを高くしたいなら昇降式への買い替えも

ここまで様々なDIY手法やグッズを紹介してきましたが、最後に一つ、究極の解決策をご提案します。それは「昇降式テーブルへの買い替え」です。
「えっ、今のテーブルを何とかしたいのに買い替え?」と思われるかもしれません。しかし、もしあなたが「食事の時は高くしたいけど、映画を見る時は低くしたい」「子供が小さい今は高くしたいけど、将来はまた座卓に戻したい」といったように、シーンに合わせて頻繁に高さを変えたいと考えているなら、固定式の継ぎ足しやDIYでは限界があります。
最近の昇降式テーブルは、ガス圧式で女性でもレバー一本でスゥーっと高さを変えられるものが主流です。高さも30cm〜70cm程度まで無段階で調整できるものが多く、まさに「一台二役」どころか「一台多役」の活躍をしてくれます。ニトリやIKEAでも手頃な価格でおしゃれな昇降テーブルがたくさん出ています。
DIYにかかる材料費や工具代、失敗するリスク、そして何より「作る手間と時間」を天秤にかけたとき、思い切って機能的な昇降テーブルに買い替えてしまった方が、結果的に安上がりで満足度が高いケースも少なくありません。今のテーブルへの愛着と、求める機能性を冷静に比較して、あなたにとってベストな選択をしてみてくださいね。
ローテーブルの高さ調整に関するよくある質問

※DIYを行う際は、電動工具などの取り扱いに十分注意し、怪我のないように作業してください。また、家具の改造はメーカー保証の対象外となる場合がありますので、自己責任で安全に楽しみましょう。不安な場合は、プロの家具修理業者に相談することをおすすめします。